ホームに降りて、まず注目したいのは、19世紀のイギリス製レールを再利用したというホーム上屋です。そして、改札口へと利用するのが、何とも趣がある木製の跨線橋です。神戸の都心近くにこんなものが残っていたとは驚きです。ここを歩くと現代のものとは違って、凄く暖かみを感じます。
北側の駅舎が昭和12(1937)年に建設された70年もの歴史ある駅舎です。南北にアーチ窓があること以外はシンプルなデザインですが、まるで洋館のような雰囲気が漂っています。
これらすべてが橋上駅舎化によって取り壊されてしまいます。神戸市とJR西日本により、独断で建て替えが決められたのかと思いきや、駅の南北を結ぶ自由通路の建設は地元住民の念願だったらしく、署名活動と要望書提出により、橋上駅舎化が加速されてしまいました。
歴史建築が多い神戸市のことだけに、市民から保存を要望する声が聞かれないのは残念です。自由通路は必要だと思いますが、南北の改札口を統合して合理化を図る橋上駅舎は必ずしも必要なものではありません。建て替えなくてもバリアフリー化を実現している駅もあります。せめて、駅舎を残したまま自由通路を作るように要望してほしかったです。
●JR灘駅のすぐそば、阪急の高架橋も70年
さて、ついでにこのJR灘駅のすぐ近くを走る阪急神戸線の高架橋も見てきました。この高架橋は現在取り壊されている梅田阪急ビル(阪急百貨店)や神戸阪急ビル、西宮球場など、阪急の数多くの建築物を設計した阿部美樹志による設計によるものなのです。開通したのは、ちょうどJR灘駅舎建設の前年で、今年、神戸市内高架延伸線は70周年を迎えました。
特に特徴的なのは道路との交差部のコンクリートアーチ橋です。本来なら鉄製の橋となるところ、コンクリート製にしたことで、騒音を少なくし、またアーチ構造にすることにより、中間に柱を設けなくて良い構造になっています。このような鉄道高架橋は同時期において他に例がないそうです。
ラベル:阪急
貴重な歴史建築がなくなるのは大変もったいないですね。これが地元住民の要望で加速されてしまったのが残念でなりません。現在の工事状況はどうなっているのでしょうか? 奈良駅のように自治体が手を差しのべてくれるといいのですが・・
最後の最後まで再生、活用をお願いしていきます。ご支援よろしくお願いします。
そうですね。摂津本山駅もおもむきありますね。写真撮ったことありますよ。
http://blog-search.yahoo.co.jp/search?p=%C6%E7%B1%D8%A1%A1%B1%D8%BC%CB&ei=
状況が変わりましたら、またコメントいただきたいと思います。
明治30年の京都鉄道延伸開業以来の駅舎ですので、どちらかいうと灘駅よりももっと残す価値があった駅だと思います。しかも、こちらは観光地のシンボルですので、残すに相応しい環境だったはずです。そんな駅を平気で壊してしまう冷血なJR西日本ですから、灘駅の保存活動は相当困難なこととなるでしょう。
嵯峨嵐山駅建て替えに際し、京都市も保存を要望することなく、これにかかわっていることも問題ですね。看板規制を強化しようとしていることとつじつまが合いません。景観さえ良ければ、歴史は無視して良いということでしょうか?